No.15 さらばドレインクリーナー

以前から気になっていることがあったのですが、とうとう我慢ができなくなってしまいました。

それは低音部の音が良くないことです。 確かに、トーンバーは振動していて音も出てはいるのですが、あまりにも薄っぺらな感じがします。 擬音でいうと「ビィ~~~ン」という軽めの音です。 さすがにウッドベースのような重厚な響きが無理なことは分かっています。 せめてもう少しだけでも、良い音は出ないのでしょうか。

やはりドレインクリーナーには、この辺りが限界なのかもしれません。 ドレインクリーナーは、2mあるいは3mの長さで、直径15cmほどの円形に巻かれて売っています。 2段式の上段22本、下段22本分のトーンバーを作っても40cm以上余ります。 1段式なら、試作器2台作っても余ります。 これで100円なのですから、かなりお得だと言えます。 できるならば、これを使い続けていきたいところです。 しかし、試作器も次の段階に進まなければなりません。 もはや、ドレインクリーナーではどうにもならなくなったのかもしれません。

さて、今回の試作器は2段式、トーンバー上段21本、下段21本、キーCです。 改良点は、3つもあります。

1つ目。 トーンバーに「リボン鋼」を使うことにしました。 これは、ホームセンターで売っているのを見たことがありません。 ネットで鋼材を扱っている会社を探して直接注文しました。 最初は「リボン鋼」という名前さえ知りませんでした。 何度もメールで質問して、私が探し求めているのがリボン鋼だと分かったくらいです。 ドレインクリーナーとは比較にならないほど値段が高いのですが、それだけの価値はあります。 今回の試作器では、厚さ0.7mmのリボン鋼を使っています。 ツヤのある群青色が、とてもきれいです。

2つ目。 固定板をステンレスにしました。 今まで、固定板はアルミのL型アングルを使用していました。 金属の材料でもっとも入手しやすいのはアルミだからです。 しかもアルミは、柔らかいので加工がとてもし易いという利点があります。 しかし柔らかいからこそ、トーンバーの振動が吸収されているのではとも思ったのです。 もっと硬い金属で値段も安いものというと、鉄あるいはステンレスということになります。 しかし、わずか1mmの金属板でも、私には加工することはできません。 できないのなら、加工してもらえるところに依頼するしかありません。 ネットで探した会社に、図面を送って、見積もりをとることにしました。 注文してから1週間ほどで届いたものは、とても素晴らしいものでした。 仕上がりや、穴の位置などの精度も、さすがにプロの仕事という感じです。 ただその分、とても高価なものになってしまいました。

3つ目。 今まで、完全な3オクターブの音域を出すには、トーンバーが22本必要だと思い込んでいました。 しかし、2段式では下段の7度の上段は1度(♯7=1)なので、上段下段共に21本で良いことに気がつきました。

・・・

トーンバーの厚さが0.7mmは、少し厚過ぎたようです。 さすがに低音はしっかり出て、今までにない重厚な感じです。 しかし、高音は「ポン」という全然伸びのない音しか出ません。

そして今回、高価な試作器となった原因の固定板ですが、良いのかどうなのかよく分かりません。 やはり、比べるものが必要です。

ページのトップに戻る