No.17 音域で厚さを変えていく

そもそも、全て同じ厚さのトーンバーで、3オクターブの音域をカバーするのが無理なのです。 やはり、音域によって厚さを変えていくのが自然なのかもしれません。 しかし、トーンバーの長さは、音程だけでなく厚さによっても変わります。 トーンバーの先端がきれいな曲線を描くようにするには、厚さ毎に取り付け位置を変える必要があります。

さて、そのようなことを踏まえた今回の試作器ですが、改良点は2つです。

1つ目。 トーンバーの厚さを音域で変えました。 まずは、音域を固定板の区切りで分けることにします。 トーンバーは固定板で3本づつ、7つに区切られています。 しかし、トーンバーは中央の低い音から左右交互に高い音になるように取り付けられていることから、音域で見れば、低い音域、中間低めの音域、中間高めの音域、高い音域の4つに分けることができます。 そこへ順に、厚さ0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mmのトーンバーを取り付けます。 そのためのものが固定棒です。 以前の2段式試作器の固定棒は、8枚の固定板を串刺しにした6本だけでした。 しかし今回の試作器では、それぞれの固定板の区切りで独立させるため、42本必要になります。 これでトーンバーの長さを、固定板に開ける穴の位置によって調整することができるようになりました。

2つ目。 以前の試作器では、度数表示板を固定棒に掛けているだけでした。 しっかりと固定していないため、振動により固定板との間で「ビリビリ」という音が出ることがありました。 今回の試作器では、固定板にネジ止めすることで解決することができました。

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結果、かなり満足なものを作ることができました。 低音域は、厚いトーンバーで重厚な響きがします。 また高音域は、薄いトーンバーで軽やかな伸びのある音が出るようになりました。

こんなにも完璧なものができてしまって、次にどうすればいいのか分からなくなってしまいました。

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